2011年1月4日火曜日

全ての長男は試作品である

正月。次男が結婚する事を正式に報告し、めでたい雰囲気の我が家。

「どうせ結納金ないんだから、婿に行くわ」

ま、マスオさん!?
というか今の時代でも結納金って習慣があるんだ…お兄ちゃん知らなかったよ。払わなくても良いと思っていたよ。まぁどうせ仕事は向こうだし、良いんじゃない?という結論に落ち着く。



翌日、次男が出かけてる時に親父が問題発言
「次男の嫁さんは…どんな顔やったかにゃ…そう言えば二階の部屋にアルバムがあったにゃあ」
そう言って持って来たアルバムは、前の彼女のアルバムだった。都合が悪いので実家に持って帰って部屋に置いていたらしい。

「違う違う!この娘じゃない!怒られるぞ」
「そうやったかにゃあ」とSHONBORIする親父。しかし家族一同、よく見て議論しなきゃわからなかったのは秘密である。

そんな感じで次男の秘蔵アルバムをマジマジと眺めた。しかしなんとラブラブな…これ京都だろ?ほっぺにチュー…だと?このエロいビキニは一体なんだ!?しかもケツを写すなケツを!

「しかしまぁ、次男はモテモテやねぇ。モテるオーラがあるもんねぇ」チラッ
「まぁ次男が幸せならえいがよ。肩の荷がおりるねぇ」チラッ

…こっちをチラチラ見るんじゃない!そんな僕は一応長男。まったくモテない26歳

「でも大丈夫かねぇ。次男は…」
大丈夫やろ。あいつは上手くやっていくさ。マスオさんでも自然に、当たり前にやっていくさ。元彼女のアルバムを捨てない辺り、少し女々しいけれども。

長男はどうか。そんな事を考えた。妬みではないけれども!

背格好も顔立ちも趣味も考え方も、メンヘラな娘に好かれる事までよく似ているのに、この両極端な感じは一体なんなんだろう。むしろ身体能力とか知性とかスペック的には兄が勝っているはずである。ただ顔の爽やかさと、こんな事を考える卑屈な心は兄の負けである。所詮顔であるってのは無しな。傲って努力を知らないと言われたらそうですけど。

そう、弟はまっすぐなのだ。兄ほど捻くれていないし歪んでいないのだ。

時代にマッチした価値観を持ち、いわゆる爽やかな服を着て、健やかに友情や愛情を育み、ささやかながら当たり前に幸せになるんだろう。
見ろあの笑顔を。自信からくるオーラを。あれは勝った事のある人間の顔だ。
見ろおまえの顔を。滲み出る負のオーラを。それは負け続けてる人間の顔だ。



全ての長男は試作品である

色んな長男長女見てきたけど、長子っていうのはどこか歪んでるというかストレートにいかない人が多いと思う。なんとなく。
それは「次男は長男の失敗を見て育つ」だとか「親の育て方が良い意味で良い加減」だとか子育て理論で答えが返ってくる時もあるし、生物学的遺伝子学に1番濃い部分が濃縮されるだとか言われるけれど、それ以上に一族の負の部分の影響をモロに浴びる所が大きいと思う。これはもう因果応報とかのレベルの話になるけれども。

あまり身内の恥を晒すのは好ましくないが、少しウチの話をしようと思う。

まぁ親族などに直接関わりある人はこのブログ読んでない(と思ってる)ので、今の内にサラッと書いておこうと思う。
これは遺書だし日記だし、それにほら、なんでもかんでも上手く処理できているのならこんな人間になってないわけで。誰かに上手く打ち明けられるコミュ力があるのなら、歌なんて歌わないよ。

とにかくウチの一族もありきたりな問題を抱えているわけです。誰もがみんなの幸せを願っているわけだが、みんな少しづつ愚かで。タイミングだとか誤解だとか意地だとか価値観だとか、そんなくだらないモノのために泣くわけです。もうウチの一族は15年以上前からそんな問題を抱えています。いや、元を辿れば一世期以上、一族の歴史の歪みみたいなモノの皺寄せかもしれません。(別にウチの家は名家でもないし、そんな劇的な話じゃないからね)そんな一族の突端が僕だと思うとゲンナリするな。全ての長男は毒だまりである!



昔々、大きな問題が起こった時、当時僕は10歳前だったけどおおよその事情がわかっていた。子供っていうのは大人が思う以上に賢しいものですよ。

一族集まって親族会議。見た事も無い大人達が話し合っていて、みんな都合の良い事ばかりを言っている。僕はそこに遊んだふりをして潜り込んでいて、ついに我慢ができずに思った事を言った。子供らしい態度は保ったまま。

そしたら知らないおばちゃんが
「この子も考えているんだねぇ。エライねぇ」と僕の頭を撫でた。重苦しい空気が和んでみんな笑い出した。

ハラワタが煮えくりかえって回転する気持ちだった。「おまえに何がわかる!」と暴れだしたかった。

だけどその時、無駄だとわかった。これが僕の立ち位置で、何を言っても届かないとわかった。周りの空気を壊さないように「えへへ」と照れたように笑った、その時の自分の笑顔の汚さと力無さを僕は一生忘れない。

そういうのが僕の毒だまり。皺寄せ。もう取り返しがつかない事もあった。

力が欲しかった。家が嫌いになって高校も遠い所に進学し、県外に就職した。正直二度と戻りたくなかった。だけどやっぱり、心の奥の方に引っかかっていた。なんでこんな事を思うのだろう、なんでこんな馬鹿な事をするのだろう、そんな事を考えると深い所にこの話が根付いているのがわかった。

それで今は実家に戻っているわけだから不思議だ。これも因果だとか神様のお導きだとか務めだとか言われるがよくわからない。そうかもしれないが、そんな立派な気持ちであるはずもなく、ただ僕は自分の思い通りにいかない事が許せないんだと思う。

長男でなければ、こんな事は思わなかったんだろうか。みんな役割を演じているだけなのか。だけど僕はそれを「選んだ」


この正月にまた親族会議があった。15年越しの問題が少し前進したのだ。
「これからはおまえが家族を引っ張っていけ」そう言われた。

なるべく無理矢理にならぬように動かした。根回しと感情的でない説得ができるようになったのは年の功か汚さか。
ただこの役割は婿養子の親父や、母親、叔父叔母、ましてや世間知らずの爺さんには無理だと、良くわかる。なにしろ15年も状況は硬直していたのだ。

僕は力が欲しかったけれど、何か大人になれたのかなぁ。何にも無いし無力なままだと思うけれど。家族や一族を引っ張るとか力不足だと思うし、これからが大変なんだけれど、ひとつひとつ取り返していく。そうして初めてスタートできるし自由になれる気もする。

「長男」今となっては不思議な響きだ。

だけど本当に嬉しい。それに加えて次男が結婚するって話がすごく象徴的で、なんかもう、めでたいなぁって。

自信や余裕なんてものはよぅ、滲み出るものだから。伝わるものだから。どんなクソ野郎でも自信に溢れてるとそこそこモテるのを見るに、ここ乗り越えて自信ついたら兄ちゃんにも彼女ができるんじゃないかな。
え、何?「人生の1番辛い時期を一緒に乗り越えない女には一銭の価値も無い」だって?mmむ。大丈夫。きっとこれからもっと辛い時期があるから。え?彼女でもできなきゃ自信もつかんし、一生かけて乗り越える話だって?
す、少し時間をくれないか。何かが進むのにはホントはスゴく時間がかかるんだよ。

次男頑張れ。兄ちゃんも頑張る。
こんな風に言って心象良くして、終わりにしましょうかねぇ

2 コメント:

  1. 私も長男ですノシ
    なるほど試作品ですか初号機ですかだから時々暴走するわけですねわかります。自省的に。

    似たようなことを悶々と考えてる人がいるんだなあと、いつも思うわけです。悶々としている自分も自分ですからと受け入れてみたり目を逸らしたり独り凹んでみたりしながらボチボチやっていきましょう。

    返信削除
  2. お、sakaさんも長男ですか。次男には次男の悩みがあるんでしょうが、やっぱり長男ってめんどくさいですよね。拘束具脱いで暴走したくなる時もありますとも。自省的にw

    そうですね。悶々としても踏ん張っても、どちみち微速前進にしかならないのでボチボチやって行こうと思います( ̄^ ̄)ゞ

    返信削除